
イビラプエラ開拓先没者慰霊碑にて
今年2008年は、日本人がブラジルに移住を始めて百周年にあたります。1908年6月18日に移民船「笠戸丸」がサントス港に到着して以来百年、コーヒー農園での重労働などに始まり、移民者の方々は幾多の苦難を乗り越えて来られました。現在ブラジルの日系人は140万人を超えており、世界一の日系人社会を形成しています。また勤勉で誠実な日系人は、現在ブラジル社会で重要な地位を占め非常に高い信頼を受けています。
こうした移民の先人方の功績を称えると同時に、未来に向かって日本とブラジル両国の結びつきを強めることを目的に、今年、日・伯両国では「日本ブラジル交流年」となっています。福岡県では知事・議会ともにブラジルへの公式の訪問団を作り、6月にかの地を訪れました。今号ではこの訪問がどれだけ有意義なものであったのか、お伝えしようと思います。
ブラジル県人会と福岡県とのつながり

ブラジル福博村での歓迎行事
福岡県は熊本・沖縄に次いで多くの県民がブラジルに渡った県です。今でも多くの福岡県出身日系人がブラジルに暮らしています。これまでも県は移民80周年・90周年行事に参加し、関係が断絶しないよう交流を続けてきました。特に今回は百周年、ぜひ知事と議会で訪問してもらいたいというのは、日系県人の願いでもありました。財政難を理由に派遣を見送った県と福岡県の対応とが比較されますが、それだけ福岡県が他県以上に深くブラジルの県人との交流を続けてきた証なのです。私はこの縁を断絶させてはならないと思いますし、今回の訪問でますますその思いを強くしました。
現地での数々の行事

皇太子殿下がお祝いを述べられました
6月18日の移民記念日には、首都ブラジリアにあるブラジルの国会において日本の皇太子殿下も参加して記念行事が行われました。サンパウロでは4万人参加の記念式典が開催され、同じく皇太子殿下がお祝いを述べられました。福岡県独自の行事としては、ブラジリアやサンパウロでのブラジル福岡県人会との交流会、福岡県人が開拓した「スサノ福博村」での歓迎会、イビラプエラ開拓先没者慰霊碑の参拝、ブラジル上院議会での食事会、現地日系企業や病院・学校などの訪問・見学……などなど多くの行事があり濃密な訪問となりました。
ブラジルに残る「良き日本」
県人の皆さんは母国・日本の政治や教育に強い関心を持っていらっしゃいました。日系二世の方からいただいた手紙「ブラジル移民の先人達は明治の精神で立派に生き抜いた。今の日本は心配でならない。日本の教育を立て直してくれ(要約)」というメッセージは胸を打つものがありました。これはほんの一例ですが、日系人の方々の思いを聞くたびに「日本で政治を預かる我々が頑張らなくては!」と、同僚議員と胸を熱くしました。
ブラジルとの結びつきの大切さ

日系人家族の心のこもった見送り
ブラジルはBRICsと呼ばれる急成長を続ける国の一つであり、日本の23倍という広大な国土に多くの資源と食料生産を誇っています。日系人の先達方のご努力のおかげで「日本人なら保証できる(JAPANESE GUARANTEED)」と言われており、ブラジルは親日国のひとつとなっています。今回の訪問は「税金の無駄遣い」という批判もありましたが、多くの日系人が住むこの将来性ある国と交流を深めることは、県益・国益に適うことだと私は考えます。
視察は税金の無駄遣いか?
古くは遣唐使、幕末の勝海舟、明治の岩倉使節団など、古くから日本では次代を担う若者を海外へ留学させてきました。彼らは世界に視野を広げ、海外列強と伍していける日本を作ってきました。これらの例は少し大袈裟にしても、視察や訪問が無駄かどうかは議員の姿勢や能力によるものであり、議員が見聞を広め世界に学ぶこと自体は少なからず必要なことだと私は思っています。また不遜ながら、今回私が海外で学ばせていただいたことはきっと無駄にはならず、必ず世の役に立てる確信を持って帰ってきました。どうかご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

